ムネモシュネ・シナプス

健康で文化的な生活を目指すブログ

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現地に馴染めない系の海外在住者の誓い

今週のお題「行きたい国・行った国」

半年間の一時帰国があっという間に終わり、先日オーストラリアに戻ってきた。

気軽に会える友人はおらず、徒歩圏内にコンビニすらなく、まだ一人で運転もできない孤立生活がまた始まった。パートナーや彼の家族はいつもとても良くしてくれるし気遣ってくれるが、それでも埋まらない気持ちがある。外交的な人間にとって、人と会えず自由な行動を制限される生活は、世界の半分がなくなったような感じだ。

この生活に戻るのが本当に嫌で、オーストラリアへ戻るのは正直かなり憂鬱だった。
しかし一時帰国中、ペーパードライバーからサンデードライバーに昇格した私は、車を運転する爽快感、自分で行ける場所や選択が広がる楽しさを学んだ。自分の行動や心持ち次第で生活が変わる経験ができたことで、オーストラリアでも楽しむ工夫ができるのではないかと、少し前向きになった。

ということで、自分へのリマインドも兼ねて、次の一時帰国までの豪州生活での3つの誓いを書いておく。

行ってみたい場所やイベントを自分から積極的に探す

めちゃくちゃ美味しかったカンノーリ

一時帰国の際、十数年ぶりに長期間実家で過ごしたのだが、何もないと思っていた田舎でも面白そうな場所やイベントが結構あることに気づいた。名前だけは聞いたことがあるけど一度も行ったことがなかった場所や(地元民あるある)、地域活性のためのイベントなど、思っている以上に興味をそそるものがたくさんあった。
家族や友人が紹介してくれることもあったし、出先でふとポスターやチラシを目にして知ることもあった。限られた一時帰国期間、週末は積極的に出かけようとネットで地域ニュースを調べてみると、毎週様々なイベントが県内で開催されていた。

子供の頃は退屈以外の何者でもなかった地元だが、大人になって行動範囲と視野が広がると、こんなに深みのある場所なのかととても新鮮だった。

おそらく私はオーストラリアでもすごく狭い範囲しか見てなかったのだな、と反省した。「ここは田舎だから」と高を括り、楽しそうな場所やイベントを探したこともなかった。だからこれからは能動的にローカル情報をチェックし、週末に出かける回数を増やしていこうと思う。

日本製品への依存を減らす

これはオーストラリアでの日常生活をエキサイティングに楽しむために決めたことで、数多くの失敗を経験するだろうなと思っている。
日焼け止めや化粧品といった日用品が主なのだが、これまでは日本にいる家族から送ってもらったり、こちらに移住した際に余分に持ち込んだものを使い続けていた。
おそらく海外在住者あるあるで、使い慣れた日本製品が一番信頼できるため、大量に買い込んで滞在先に持ち帰ったりする。私もお気に入りの化粧品を買い込んでいこうか迷ったのだが、どうせなら現地で手に入るお気に入りを見つけた方が今後絶対に便利だ。なくなってしまうのが勿体無くてちびちび使ったり、航空便や船便で送られる補充品が無事に手元に届くか毎回心配する必要がないのだから。

ということで、私の場合はオーストラリアで手に入る日用品のお気に入りを見つけられるよう色々試していこうと思う。
(でももしこれから初めて海外へ中長期で滞在しようとしている方がいたら下記を確認してください!*1

店員さんや街の人に笑顔で接する

私は誰とでも気持ちのいいコミュニケーションを取りたいので、どんな人とも笑顔で会話するようにしてきた。接客業での経験から、口角を上げて朗らかな雰囲気を醸し出す「お客様向けの表情」をうまく作れるようになったこともあり、外出すれば無意識に【外面(そとづら)】をつけて人と接している。これを苦に感じたことはほとんどない。

しかし移住して気がついたのは、言葉が不自由でコミュニケーションに不安が出てくると、笑顔を作る余裕など途端になくなってしまうことだった。

そして「周囲がどのように私を見ているか」という負の自意識が芽生えるようになった。ここで私は【外国人】だからである。オーストラリアで私はマイノリティであり、場合によっては差別の対象になりやすい(かもしれない)。子供の頃から自己肯定感だけは異常に高かった私が、こんなに他者の視線が気になったのは初めてだった。

ぶっきらぼうに返されると傷つく」ことよりも、「差別されたのではないか」ということの方がもっと怖い。

「日本ではこんなことなかったのに、日本では簡単にできたのに...。」
新しい環境でまだ自分ができないことが目につき、少しずつ自尊心を削っていく。だから日頃の小さな心がけから、オーストラリアでの自己肯定感を高めていこうと決めた。
笑顔が返ってこなくてもいい、素っ気ない態度をされてもいい、それでも私は笑顔で接しようと思う。

言葉が完璧じゃなくても、にこにこ機嫌が良さそうな【外国人】になり、少しずつ今いるコミュニティに馴染んでいきたい。

いざ戻ってきてみると...

オーストラリアの鳥、Kookaburra(ワライカセミ)。鳴き声が笑ってるみたいでうるさい

なんだかんだで3年近く住んだ家と町。いざ戻っていると思っていた以上にマイホーム感があった。通りを歩くと鼻をかすめる洗剤や香水の匂い、食欲を刺激する揚げ物やスパイスの匂い。夏の日差しと道路の匂い、日曜大工中の家から漏れるペンキの匂い、少しだけ感じる海と砂浜の匂い。「これも私の日常だったな」とホッとした気持ちになった。

オーストラリアでも自分に自信を持ってハッピー野郎として過ごせるように、3つの誓いを忘れずに日々を過ごしていきたい。

 

過去の旅行記▶︎

mnemosyne-synapse.com

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*1:

もしこれから初めて海外へ中長期で滞在する予定の人が読んでいたら注意してもらいたいのですが、日本で服用していた薬は少し多めに持っていったほうが良いと思います。自分に馴染んだ処方薬はしっかり頼ってください。

私はアトピー持ちで肌が弱いのですが、オーストラリアの現住所に引っ越してから肌荒れが始まりました。現地の医者から処方された薬もあまり効かず、一時帰国するまでの2年近く、全身のひどい肌荒れに悩みました(小さい頃から私の肌トラブルを見てきた母ですらドン引きするレベルでした)。

おそらく水が原因で(この地域の水道水は飲めますが少しカルキくさい)、硬水+少しカルキくさいシャワーを浴びるたび、【肌が乾燥する→肌のバリアが弱くなり、かゆくなる→掻きむしって荒れる→清潔にしようとシャワーを浴びる→さらに乾燥し悪化】の負のサイクルをずっと繰り返したのではと推測しています。素人判断ですが。

なぜ水だと思ったのかというと、帰国後日本のシャワーを浴びただけで肌の潤い具合が全く違ったからです。すぐにかかりつけ医から処方薬をもらったのもありますが、水でここまで変わるのかと驚きました。帰国して2ヶ月ほどで、1年以上悩んだ肌荒れが綺麗に治りました。

現在はフィルター付きのシャワーヘッドを購入し使用しており、今のところオーストラリアでも肌トラブルはありません。
しかしこのように想定外の体調不良が起こる可能性もあり、それが長引いてしまう場合もあります。こうした私の経験から、最初の渡航では「まあなんかあっても現地で調達できるだろう」と楽観的になり過ぎず、処方箋は少し多めに持っていった方が安心できると思います。医療に関しては、まずは馴染みあるものに頼ってください。