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セルフジェルネイルで始まった瞑想習慣

なるほど、田舎にはネイルサロンがないのか。

2022年11月頃からセルフジェルネイルを始めた。

理由は2つ。田舎過ぎて近くでサロンが探し出せなかったのと、白単色ネイルにしてみたかったため。冬場、厚手のセーターやコートの袖口から白いネイルをのぞかせたら絶対可愛いだろうと思い付いた。ゴールドのゴツい指輪をはめても良い。

白ネイルはポリッシュ(いわゆるマニキュア)でもできるが、エナメルが薄付きなためか綺麗に色を出すのが難しい。層を重ねて塗っても、うっすら自爪の色が透けてしまう。

それにしても、田舎にはネイルサロンのチェーン店すらないのか。

都市部やそこそこの地方都市であれば、駅ビルや繁華街、ショッピングモールを探せば何店舗も簡単に探し出せるのに。ほとんど店舗がヒットしなかったホットペッパーの画面を前に、私は愕然としてしまった。

どうやら個人店でネイル施術を行なっている方々はいらっしゃるようなのだが、予約へ踏み切るには情報が少なかった。ジェルネイルをお店で施してもらうのは決して安くはない。単色でも3,000円はするし、見惚れてしまう素敵なデザインを依頼すれば10,000円を超えることもざら。もちろんネイルケア、そして美しいまま長持ちするジェルネイルを施せるのはプロの技であり、60~90分と時間もかかる。相応の価格だが、だからこそ自分が納得したお店でお願いしたい。

よし、単色ネイルくらいは自分でやってみよう。
百均ジェルネイルの評判を友人から聞いて、どうせ一時帰国中で気軽に百均に行けるのも今のうち。すぐにジェルネイル一式を買いに行った。

田舎暮らしはクリエイティビティとDYI精神が育まれる。

スターターセットは百均にて1000円あれば揃う

日本はすごい。
百均でジェルネイル用品もUV/LEDライトも全て揃う。
百円ネイルカラーの発色や持ちの品質に少し不安はあったが、実際に使用すると初心者の私にはほぼ問題なく、初期投資1000円ほどで始められるので失敗しても痛手はない。

・カラージェル / ホワイト

ベースコート

トップコート

・アセトン入り除光液

・UV / LEDライト(こちらは税込¥330)

を購入して合計¥770。
爪やすりや甘皮を処理するプッシャーはすでに手元にあったので購入せず。

他にもはみ出たジェルを拭き取るウッドスティックや、ネイルオフの際に使用するコットンなども必要なのだが、ウッドスティックは爪楊枝で代用できそうだったし、ティッシュを使えばコットンは要らないだろうと初回は買わなかった(結局後ほどどちらも購入。YouTubeやブログにて多くの人が「必需品リスト」に入れている理由がわかった。)

いざ、塗装!

1回目は自己流で塗ってみた。というかポリッシュ同様、ベース→カラー→トップコートで塗り、それぞれの工程でUVライトによる硬化を行えばいいものだと思い込んでいた。カラーは2度塗りすればぱっきりとした白になり満足した。

しかし1週間もせずにステッカーのように剥がれてしまう。やはり百均に期待し過ぎてはダメか...と思ったが、それにしても硬化したネイルがこんなにするっと落ちてしまうものなのか?
疑問に思いYouTubeを検索すると、Chicca Nailさんの動画に行きつき、自分のやり方が間違っていたことにわかった。

youtu.be

この動画の方法で塗り直したところ、百均ネイルでもきちんと2週間以上持つようになった。よくよく考えてみれば、サロンでも下準備から時間をかけて行なっていた。いつもネイリストさんとのおしゃべりに夢中になっていたが、いざ自分でやってみると、これだけの工程を会話をしながら時間通りにきっちり仕上げるのはやはりプロ...と思わざるを得ない。私は単色を仕上げるのにも最低1時間、古いネイルのオフを含めると、いまだに3時間以上かかる。
そしてそれだけかかっても、プロが作り上げるクオリティには全く及ばない。易しそうに見える単色ネイルでも、色むらができやすかったり、一見綺麗に見えても触ると表面に凹凸があったりと、サロンでの仕上がりには敵わない。

可愛い指先がもたらす絶大な魔法


2,3回練習後の白単色ネイル。この時は2週間は持った記憶。爪よりも他の情報が多い写真。

しかし2ヶ月ほど経った今でも、私はかなり楽しんでセルフジェルネイルを続けている。絵を描くことが好きで手先もそこそこに器用な性質もあるが、毎回少しずつ自分の成長が感じられて充実感がある。YouTubeを開けばプロアマ問わず、ジェルネイル術師の先輩方が惜しげもなくレクチャー動画をアップしてくださっている。「次はこのデザインに挑戦してみよう」「手持ちのカラーでこの方法を試せるだろうか」、創作意欲が絶えず湧き出す。

そしてやはりこの創作意欲の根源は、綺麗に整えられた指先が私たちにもたらす【この上ない幸福感と絶対感】なのだ。パソコンのキーボードにふと目を落とした時、水仕事の後にタオルで手を拭く時、ドアノブに手を伸ばした時、スマホを取り出した時...24時間いかなる瞬間でも、可愛い指先が目に入ると、反射的に幸せを感じる。

フワちゃんが「見てぇ、つめカワイイ💛」とよく口にするが、あれはネイルの魔力に魅せられた人類全員が、絶対に一日一度は唱える呪文である。

セルフネイルの知られざる効果

時間がかかるセルフジェルネイルには、思いもよらぬもう一つの効果があった。
それは瞑想が出来ることである。

まず、瞑想というのは目を閉じ坐禅を組むという姿勢にとらわれなくてもいいらしい。

...「瞑想は何か」という問いに対して、まずは「心をある対象に集中すること」あるいは「心をある一点にとどめておく力と考えてみましょう。これは

(1)瞑想中に余計な雑念に振り回されないために、思考以外の対象に集中する。

(2)勉強や仕事など、ある対象に思考を集中して効率を上げる。

という二つの意味でとらえることができます。

ヨガの教えと瞑想 2020年、岡本直人

ということで、何かに夢中になっている状態も「瞑想状態」と言ってもいいようだ。

1〜2cm内の小さな爪にペイントする作業はやはり繊細さが求められる。
息を殺しながら筆先に全集中する作業は人によってはかなりストレスフルだ。しかし私の場合は「集中!集中!」と自身を鼓舞することなく自然と作業に没頭でき、無理することなく瞑想状態になることができる。
これのどこが「癒し」なのかと言うと、作業を終えた後の爽快な疲労感。
みんな、ある日の運動後、仕事終わり、時々こんな心地よい疲れを経験していると思う。この感覚は本当にやみつきになる。

私は夕食後にネイルを始めることが多く、仕事も家事も済ませた状態で心置きなく「ジェルネイル瞑想」できるこの時間は、とても大切な癒しとなっている。

また、作業頻度もちょうど良い。

ジェルネイルの耐久時間上、新しいデザインに変えるのは月に2回ほど。ネイルオフとペイント作業を二日に分けて行ったり(一度に全工程を仕上げようとすると3時間超えが確実で、さすがに集中力が保たない)、仕上がりが気に入らない爪を部分的に修正したりするので、日数にすると月に〜6日×2時間=〜12時間ほどの作業だろうか。
最近、全ての爪を一度に変えるのではなく、数本ずつ新しいデザインにしてみるというプロセスもやり方も思いついたので、これからは12時間以上ネイルに没頭するはず。

毎日できる作業ではなく、隔週で数時間ずつという制限が程よく物足りなさを残し、飽きさせないのではないか。

新しいネイルに見惚れながら、改善点を反映させた次のデザイン・色の組み合わせを考える時間もとても楽しい。

 

***

こうして始まった私のジェルネイル瞑想習慣。
夢中になれる新しい趣味ができた上、指先を見る度に心が満たされる小さな芸術作品を自分で生み出せるので、私のQOLは今大幅に急上昇している。